バイオリンやビオラを
弾いている人が、
左手を細かくゆらしているのを
見たことがありますか?
あれはビブラートといって
音色を変化させるテクニックの
一つです。
弓の使い方でも音色は
変えられますが、
揺らすことはできません。
ビブラートは、
手を揺らすことによって
音程を上下に少し変化させ、
より豊かに鳴るように、
また、
音に豊かな表情をつけるために
使われます。
大雑把に分けると、
小さなビブラートと
大きなビブラートがあります。
小さな音で静かな場面や音を
弾くときに、
小さなビブラートを、
大きな音でパワフルに
弾きたいときに
大きなビブラートを使います。
さらにまた細かく
使いわけるには、
ビブラートの速さを
変えることもします。
そっと弾きたい音には
小さくゆっくりかける、
静かだけど緊張感を
持たせたいときは
小さく速くかける、
大きな音で華やかに
弾きたいところは
大きく速く、
大きな音でもゆったり
聞かせたいところは
大きくゆっくりかける。
これらを細かく組合わせて
ビブラートをかけることで、
なにもしないときより、
ぐんと表情豊かな演奏に
なります。
今まで余計な動きを
セーブしてきた左手を
いきなり動かすのは
最初はかなり大変。
過去に
練習なしでその場で
出来てしまった子が
二人ばかりいましたが、
関節が固くなって
動かないケース、
揺れるけど、
揺らす方向がおかしかったり
手首ばかり動いてしまったり。
まずは
指のストレッチ体操のような
ゆっくり伸び縮みさせる
運動からやるしかありません。
理屈をわかりながら
体をそのイメージのように
動かす練習。
スポーツのように
地道にやるしかありませんが、
出来たときの喜びを
想像しながら
トレーニングしてみて
ください。
これは、
ビブラート練習に限らず、
どんな練習でもそうですね。
すぐできるものなんて
そんなにありません。
コツコツと
自分の中にやれることを
増やしていって、
自分であれこれ考えながら、
それらを組み合わせていって、
やっと音楽的な演奏、
今までは出来なかったことが
できる演奏に
なっていけるわけです。
そのコツコツやっていく
過程も、
どこかで楽しみながら
レベルアップしていけると
いいですね。