楽器がよく響くためには
どう弓を使うか
ということ以外に、
よく響く音程を取れているか、
さらには
楽器がよく響く音程を
取ろうとしているか、
という意識が必要になります。
そんなに気にしなくても、
慣れてくると音程は取れますが、
そこから一歩入って、
楽器全体が響く音程を
取り続けるという意識にすると、
これがなかなか難しいのです。
弦が4本あるので、
触っていないと一緒に影で
響いています。
共鳴し合う、
ということです。
難しい言い方をすると、
周波数が合いやすい弦の音が
響いてくれます。
そうなってくれるためには、
調弦をきちんと合わせた上で、
弦の音程に響きやすい音程を
意識して取るように
する必要が出てきます。
全ての音をそうやって
音程を合わせるのは、
かなり慣れが必要というか、
無理かなとも思いますが、
やはり意識しているときと
していないときの
楽器の鳴り方が変わります。
ときには、
隣の弦の音を
指で押さえているときもあり、
その音に共鳴する音程を
取っていくときもよくあります。
練習するときは、
単音でだけでなく、
隣の弦楽器と合わせながら、
または時々合わせて確認しながら、
単音でもよく鳴っているか
聴きながらという、
結構集中力と根気のいる作業に
なりますが、
慣れてくると、
その響きの豊かさや、
残響や共鳴する音が美しいので、
弾いていて気持ちがよいのです。
弦楽器の良さは、
木の箱ならではの
音の美しさ、響きのよさだと
思います。
それを最高に
感じられるためには、
それなりの努力はいります。
やった人にしか
分からない部分ではありますが、
人と弾いて合わせたときに
感じられる
弦楽器ならではのサウンドは、
鳥肌がたつような、
魂に響くような感覚があります。
子供のころから
そんな体験をしてきて、
沢山の感動と
難しさと喜び、
仲間と共に切磋琢磨してきた
懐かしい思い出が、
今の自分の中に
残っています。