色々な要素をまとめて弾いていく





音楽の要素には

様々なものがあります。



音楽の三要素といわれる

音の高さ=音程

音の長さ=リズム

音の重なり=ハーモニー、和声



はもちろんですが、



それを演奏で

できるようにしていく上で

さらに



意識の中に

どんなものがあるか

が大切になってきます。



楽譜通り弾けても

素敵な音楽には

ならないのです。



音程とリズムだけ

合っている音楽を聞いたら、



誰もが

コンピューター的な

機械的な感じがするでしょう。



それでも

音楽としては聞こえますが、



なにか情緒的なものや

雰囲気、抑揚がなくて

物足りなさを感じると思います。



また、

流れやテンポも大切です。



テンポも基本的には同じでも、

メトロノームにきっかり

合わせたように弾くと、



やっぱり機械的に聞こえます。



お話を読むときのように、

気持ちや感情、感性、

イメージが入ってくると、



見えないゆらぎや抑揚、

微妙なニュアンスや音色が

音楽の中にはいります。



要するに

人間が奏でている良さを

表現するには、



三要素だけではなく、



自分の意識の中に、

三要素も含めた

様々な感覚が必要と

なるわけです。



真面目に練習するのは

大事なことの一つでは

ありますが、



そのような意識がなく、

楽譜に書いてあることを

ひたすらがんばって弾いても、




気持ちのよい演奏には

聞こえなくなります。




自分の意識の中に

どれだけ沢山のものが

存在しているか。



これで

音楽はガラリと変わります。




ここ2年くらい、

音程を取ることをメインに

練習をして来られた生徒さんが

います。




音感がないので、

だいぶ苦労されながら

一生懸命続けて来られました。




一緒にやっていて

私の気づきになったことが

多々ありますが、



その中に、

音程だけ聴いていたら

音程は取りにくい



というものが

ありました。



音程という一つの要素の中にも、

音色や響きも一緒に聴いている、



さらには

曲になると、

流れの中で聴いている、



など、



決して

音の高さだけを

聴いているのではない

ということです。



指も弾きながら

次の用意をしなければ

ならないし、



弓をどう使うかで

音色や長さも変わってきます。



一つの練習をやっているのですが、

一つの感覚では

弾けないということなのです。



でも、

そんなことをお話しながら、

取り組まれてきた結果、



先日、

音程はほぼ大丈夫なだけでなく、



音色や流れ、

情感も一緒に感じながら

最後まで一曲、

いい感じで

弾き切ることができました。



今までの努力やと共に、

視野を広げること、

一つのものだけに執着、集中

しすぎないことなど、



人としての大切な感覚も

開いて来られた結果なだけに、

とても嬉しい思いでした。




普段どう考え、意識して

生きているか、

が演奏や練習の仕方には

表れるので、




ちょっと大変かなと思っても

取り組んでみる、

考えてみる、

やってみる、

ヒントを集める、

少しでもよくなるために

何をしたらよいか考える



など



自分が向上していける道を

自分で作っていくのは

大切だなと思っています。



学びも音楽も終わりは

ありません。



自分次第で

向上していけるものだと

思います。