たくさんの生徒さんを見ていると、時間や型にはまるのが得意な方、逆になかなかそうならない方に大きく分けられます。
左脳がよく働いている方は、時間内で動く、動きに無駄がない、どんどんこなす傾向。
バイオリンを弾いていても、リズムや長さをよくとらえていて、楽譜通りに弾くのがはやいです。
そういう生徒さんには、いい意味で型から出られるよう、音程だけでなく、そこから発している響きを聴くこと、聴き方、どういう風に感じるか、フィーリングなしで思考だけで、弾いていないか、体の運動になっていないかを問いかけながら気づいてもらいます。
フィーリングがあって、どうしようか思考がはじまり、音にするので、フィーリングが薄いと、音楽の音というより、「音」が鳴っている感じになります。
子供さん達には、弾けてきたら、どんな曲なのか考えたりイメージしてもらえるよう問いかけながら、頭の中に少しでもその世界が見えるようになってから、その気持ちで弾いてみることをしています。
トトロの曲→トトロしかいないの?何してるところ?
メヌエット→今日はお城の舞踏会です。どんなドレス着てるのかな?どんな髪型?
など、その子なりの世界が見えてから、じゃあ、どんなテンポでどんな雰囲気で弾こうか?までイメージできてスタートです。
醸し出す音楽や音色ががぐんと変わります。
逆に、そういうのは割と普段から得意、でも、なかなか作業が進まないというタイプの方には、時計を見ながら時間内で動く、やることを決めてスタート、準備は3秒!(笑。舞台の上やアンサンブルでぼーっとしていておいていかれないように)、どんどん行動!をうながしています。
音楽は時間を使った芸術。弾けないところは遅くなっていいとか、いつまでも同じところをやっているとかになっていると、とても上手にまとめられません。
音楽はリズムやテンポがあるので、それはひとつの枠組みでもあります。
マイペースすぎて時間の枠に上手にはまれないと、音楽も乱れますよね。
できないところがある→どんな練習をすればよさそうか、はよく聞きますが、効率の良さも考えたら、できるだけ無駄のない段取りで進めなくてはなりません。
オーケストラや本格的なアンサンブルの曲にもなると、長い曲ばかり。1曲が何楽章かあって、それ全部譜読みするだけでも大変。
一か所にそんなに時間をかけていたら終わりません。
指使いをどんどん決める、音を覚える、フレーズをまとめる、体が動くようにしておく、他のパートとの兼ね合いも考える。
やることはいくらでも出てきます。
日常でも、何をどうしようか決めないで動けば、なかなか終わるものも終わらずです。
やることを忘れてくる子はやることリストを書いて、必ず最初に見るところに貼る、注意書きは短い文で見えるところに書く、など、練習内容を分かって家でやってこられるように、こちらで予防しています。
慣れるまで時間がかかっている子もいますが、やっぱり続けることでできるようになっていくようです。
タイプ別に対応を変えて、様子をみて、また変えて、とこちらで密かに工夫しています。
右脳も左脳もバランスよく!です。